十和田商工会議所ニュース

『Frontier』より 2000年3月

平成11年度 歩行者通行量調査結果報告 

市内中心商店街区18地点で調査  歩行者通行量は横ばい

 平成11年度の十和田市中心商店街区歩行者通行量調査の結果がこのほどまとまった。この調査は、平成11年8月22日・23日の両日に実行され、日曜日と平日の市内中心商店街区の歩行者通行量を地点別、時間帯別、4号線の東西別に比較し、18地点で調査したもの。当市の商業を考える上での指針として、街区の状況把握と分析をするために当所が毎年定期的に実施している。

日曜日の対前年比では、全体で276名の増、また月曜日の対前年比では、全体で322名の減少となっており、トータルでは横ばいとなっている。しかしながら、この調査は「十和田松木屋」閉店前の調査であることから、来年度は違った結果がでてくるのではと予想される。

時間帯別比較
 時間帯別では、日曜日・月曜日とも通行量のピークは午後2時過ぎと共通しているが、日曜日は朝の出足が悪く、昼頃からの出足が多くなっており、対して月曜日の通行量は総じて平均化している。

調査地点別比較
 平成10年度との比較で、日曜日の通行量は276名増となっているが、増えている地域が特定エリアで、全体的な通行量となっていない。また、月曜日は322名の減少となっており、特に中心街の減少が著しい結果となった。

曜日別比較
 当市では、従前から日曜日よりも月曜日の方が通行量の多い結果にあるが、それぞれの調査地点にて周辺店舗の開店状況を聴取したところ、日曜日に閉店している事業所・商店が多くなっている。
 調査18地点の曜日比較では、ほぼ全域で月曜日の通行量が上回った。また曜日比較で、月曜日に通行量が増えた上位ランクは次のとおり。
・なりけ印房前(845名の増)・米澤家具店前(830名の増)・松本茶舗前(527名の増)・益川ビル前(519名の増)・なとりや前(459名の増)
4号線沿い東西比較
 国道4号線沿いの東西通行量を大七書店前、なとりや前、松本茶舗前、米澤家具店前、益川ビル前、村木薬局前の6地点で比較してみたところ、日曜日と月曜日とも、西側を通行する傾向が強く出ている。この傾向は、過去に実施した調査結果でも同様となっており、立地する店舗業種や形態及び密度構成等の諸要件格差によるものと考えられる。

◎日曜日の対前年比で大きく伸びている地点
・沼田酒店前・駅前通り(141人の増)・野沢薬店前(203人の増)・村木薬局前(91人の増)
◎月曜日の対前年比較で大きく伸びている地点
・田中ビル前・駅前通り(159人の増)・米澤家具店前(141人の増)・・沼田酒店前・駅前通り(107人の増)
◎日曜日の対前年比で大きく減少している地点
・松本茶舗前(146名の減)・大七書店前(137人の減)・なとりや前(128名の減)
◎月曜日の対前年比較で大きく減少している地点
・松本茶舗前(238名の減)・第一生命前(238人の減)・・細川耳鼻科前(141人の減)


街づくりを市民の手で、市民の声を「基本計画」に

期待の商店街、しかし疲れている商業者 アイディアだけでは街はつくれない

中心市街地活性化市民フォーラム開催

image0003_1.jpg (4593 バイト)市では商工会議所とともに2月14日、商工会館1階ホールにおいて、中心市街地活性化基本計画(以下=計画)策定のために市民フォーラムを開催した。フォーラムでは、今まで実施した「ワークショップ」や「アンケート」の結果を報告し、浮かび上がったテーマをもとに、中小企業事業団タウンマネージャーの中橋勇一氏をコーディネーターとして、市民・商業者団体からのパネラー5名によるパネルディスカッションが開催された。

 パネラーは当初の川上専務理事、十和田市商店街連合会専務理事の今泉礼蔵氏、十和田市連合婦人会の竹内ミキヱ氏、トワダマミーズカンパニー代表の田中直子氏、JA十和田女性部深持支部の中野渡和子氏の5名。

 川上専務は「街区の再開発にはパティオの組み合わせ、大型店のリサイクル、公的な福祉施設の設置等が必要と考えるが、計画の実現は大変なこと、お互いが歩み寄り意見の取捨選択が必要。TMOは、プロジェクトチームとして専従の事務局体制でなければならない。特に行政の支援は必須」と強調した。

 今泉氏は「計画の中で今後期待が高まる中心商店街だが、今の商業者は疲れている。活性化実現のネックは街区の自由な土地利用の流動性。互いに利益ある利害調整が必要。郊外点とは違い、品揃えや価格、営業時間以外のものを消費者に訴えていかなければ…」と強調。

 竹内氏の「市民はなぜ下田ジャスコにいくのか、下田の支援体制は相当のものと聞く」また中野渡氏の「私たちも新鮮で安全な野菜作りに励みたい、商店街も頑張って欲しい」そして田中氏の「子育て世代の声として、街作りへ参加する前に、来るために子供を預けられる施設も無いではないか」という言葉が印象に残る。

 今年度計画策定後、12年度から具体的にTMO設立に着手していく。

市民/商業者アンケート結果

(1)今の中心市街地をどう見ているのか

・空間、ハードの評価は高かった。(病院・診療所、道路・歩道、景観が良い。防災面、犯罪や事故、騒音や振動が少ない)
・サービスのバラエティに不満がある。(喫茶・会合場所、習い事・趣味の場、健康・福祉施設、トイレ・休憩所が足りない)
・来る楽しみがない、やってきづらい。(買い物の便、働く場、子供が楽しむ場、レジャー施設、公共交通、駐車場に不満)

(2)今後の課題(これから何が大切か)

・買い物や働く場所としてのにぎわいの回復。
・特に、子供、若者、高齢者など、それぞれの階層にターゲットを絞った作戦。
・市街地への来やすさ、働きやすさ、止めやすさ(アクセスの便利さ、安全さ)。

市民/商業者ワークショップの成果

1.浮き上がってきた6つの街づくりのテーマと、提案されたこれからの進め方(主なプロジェクト)

(1)楽しくショッピングができる街、お店がにぎわう街にする。

・商店街、商業者が力を合わせてがんばる。TMO(街づくり機関)を作る。

・「パティオ構想(広場のある集合店鋪)」で街区リニューアルを進める。

・大型店空店鋪を人の集まる交流拠点(カルチャースクール等)として活用する。

・(広域に人も利用できる)病院を市街地に集める。

・生涯学習施設やボランティアセンターを市街地に置く。

(2)昼だけでなく、夜も人がいる街、多くの人が住んでいる街にする。

・市街地に高齢者向け住宅、多世帯同居向け住宅を作る(公共サービス拠点や、ケア施設、たまり場空間などとの複合施設として作る)。

・市街地や近辺に市営住宅団地を持ってくる。・生涯学習施設やボランティアセンターを市街地に置く(再)。

(3)高齢化社会にふさわしい、人にやさしい街にする。

・街中で高齢者が暮らせるよう、住宅、入居施設を市街地に増やす(再)。

・医療・福祉の窓口や専門的サービス施設を市街地近辺に集める。

・街路とお店のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を進める。

・(冬も暖かい)休憩できる場所を増やす。公衆トイレを増やす。

(4)子供にも、若者にも、お年寄りにも楽しめる愉快な街にする。

・映画館や路上解放スケート場など、抜けた遊びメニューができる街にする。

・若者(学生)が時間を過ごせる店や施設を増やす。「若者ゲット作戦」を立てる。

・官庁街に人が立ち寄れる店や場所を作る。(土)(日)を歩行者天国にする。

・活発な地域活動(裂織保存、西茜会など)を街のにぎわいづくりに活かす。

・生涯学習施設やボランティアセンターを市街地に置く(再)。

・歩く楽しみづくり(回遊性、界隈性)のため「パティオ構想」を進める(再)。

(5)美しくて、歩きやすく、安全で、落ち着ける街にする。

・市民と商業者が力を合わせる(クリーン作戦や地域環境運動を進める)。

・防災をしっかりし、犯罪や事故騒音や振動の少なさを保つ。

・官庁街や稲生川、整然とした町並みを、地域の誇れる美しい景観として保つ。

・市街地内の緑を大切にする。街路の小さな花や緑を増やす。

・分かりやすく、親切な美しい案内(サイン)がそろっている街にする。

(6)誰もが便利に、自由に、早く、安くやって来れる街にする。

・子供を遊ばせておける場所、預けておける場所を作る。

・分かりやすく、親切な美しい案内(サイン)がそろっている街にする(再)。

・手荷物の一時預かりや宅配の共同サービスを始める。

・街路とお店のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を進める(再)。

・公共交通を確保する。(無料か低料金の)回遊バスを始める。

・入りやすい(広い、迷わない)駐車場、無料か料金の安い駐車場を増やす(空き地や月極め駐車場の活用作戦を立てる)。


十五市(じゅうごいち)を開催中

 十和田松木屋が撤退し、亀屋も3月末で閉店という現状で、核店舗を失った中心商店街。その中にあって中央商店街が「何か出来ないか」と「中央」にちなんで2月15日を最初に毎月15日、生き残りをかけた大売出し「十五市」を開催している。

中央商店街が毎月15日を「おもてなし」の日

有志が最後の決意で立ち上がる

  各店の商売の熱意を、感謝の気持ちでお客様に

image0003_2.jpg (7443 バイト) 2月13日の新聞折込に、今までに見る売出し広告とはいっぷう変わった売出しチラシが入った。題名は「特ダネ最前線(中央商店街青年部発行)十五市始まる!」。目についたのは「最後のあがきか、商店街カリスマ店主が立ち向かう」「これが現状だ…トホホ中央商店街」「立ち上がれ!中央商店街。生き残り大作戦」等々、一瞬目を疑う広告内容
 この売出しは、主催の中央商店街催事委員会が「一店一店が自分の商売に対しての熱意とお客様への感謝の気持ちを今一度伝えたい」と、最後の生き残りをかけて同商店街の各店へ呼びかけ、その主旨に本気で賛同できる30店舗が「十五市」ののぼりを購入し開催。売出し方法は各店いろいろだが、当日はかなりのお客様に反響があったようだ。
 現状の商店街の有りのままを前面に出し、ただ協力しあうのではなく「やるもやらぬも、個々の自由意志が最優先」という有志の決意が感じられるこの売出し。中央商店街の今後に期待したい。


トピックス LOBO1月結果

依然として一進一退  個人消費、設備投資に関心

 日本商工会議所が二月一日に発表したLOBO(早期景気観測)調査一月の景況を見ると、マイナス幅の縮小傾向は一進一退の状況が続いており、改善の傾向も一部うかがわれるが、回復へのはっきりとした動きは依然見えない状況である。

 業種別に見ると建設業では、「公共工事の減速と民間発注の低迷で大変厳しい経営環境にある」「工事量は多少増加しているが、競争が激しく採算は大変厳しい」(一般工事)など受注の減少や採算面の悪化の指摘が引き続き多い。公共工事の新年度動向に対する関心が高く、民間設備投資について「景気好転の兆しが見えそうだが、民間企業の設備投資はまだ先になる様子」(一般工事)、「設備投資は今年前半は期待できない」(管工事)など厳しい見方になっている。
 製造業では、受注減少の指摘が多いものの、電気機械から「情報通信関連の動きがいい」「携帯電話関連の仕事を行っているところは好調さを維持」との声が、金属加工、プラスチックから「受注は増加傾向にあるが、取引先の値引き要求により採算性が向上しない」などの声がある。
 卸売業では、「小売店の仕入態度が消極的で、低位横ばいで推移」(衣料卸)や「傾向は変わらず、公共工事関連の資材などは良いがほかはすべて厳しい状況」(総合卸)など厳しい状況を訴えている。
 小売業では、引き続き個人消費が低迷しているが、一部で「消費の明るさはまだだが、セールの伸びは一時より回復している」「初売り、クリアランスセールのあった上旬は好調に推移。中旬以降失速したが徐々に持ち直しの傾向あり」(大型店)としている。また、暖冬の影響で不振だった冬物商品が、中旬からの気温の低下により動きが出てきたとの声もあった。
 サービス業では、飲食店、旅館を中心に客数の減少などによる業況悪化のほか、「あらゆる分野で価格破壊が進んでいるため売上増につながらない」との指摘もある。また輸送の一部が「製造業を中心に荷動きが活発になった感じだが、運賃値下げの要請から採算性は悪化の一途」としている。
 向こう3ヵ月(2〜4月)の先行き見通しは、全産業合計の業況DI(1月比ベース)がマイナス32.8と現状より好転するとの見方となっている。
 景気に関する声、当面する問題としては、個人消費や設備投資の動向について関心が高い。

業況DI(前年同月比)の推移
11年 8月 9月 10月 11月 12月 12年1月 先行き見通し2月〜4月
全国全産業▲42.5▲43.4▲42.7▲42.7▲43.4▲43.1▲32.8(▲45.7)
建設▲46.7▲40.1▲43.6▲43.5▲43.1▲43.9▲38.9(▲40.4)
製造▲40.5▲40.0▲38.2▲37.3▲34.6▲33.2▲23.9(▲45.8)
卸売▲32.8▲40.2▲39.3▲42.8▲39.8▲36.5▲26.6(▲36.6)
小売▲48.6▲51.1▲50.7▲50.0▲53.7▲52.2▲39.7(▲51.9)
サービス▲38.5▲41.4▲38.7▲38.7▲41.8▲44.7▲32.3(▲45.1)
東北全産業▲34.6▲36.6▲34.0▲36.9▲44.3▲38.0▲35.8(▲49.2)

※「先行き見通し」は当月に比べた向こう3ヶ月の先行き見通しDI( )内は昨年7月の先行き見通しDI〈以下同じ〉


労働者の失業なき労働移動を支援 人材移動特別助成金

 売上の減少を余儀なくされている(対象)事業主のもとで働く60歳未満の労働者が、人材を必要としている他社に失業することなく円滑に出向・再就職できるように支援しようとするもの。
 人材を送り出す事業主へは、(人材移動能力開発準備給付金)再就職斡旋前に行う教育訓練に要した経費に助成。
人材を受け入れる事業主へは、(人材移動雇用安定奨励金、人材移動能力開発定着給付金、人材移動雇用環境整備奨励金)賃金、教育訓練や施設・設備の設置・整備に要した経費に助成。
 但し、平成12年9月30日までに行われた出向または再就職が対象。
※お問合せは雇用・能力開発機構青森センター(TEL0177-77-1234)


融資利率情報 マル経の金利は年2.05%

マル経(小企業等経営改善資金融資)の融資利率が年2.05%に変更されました。(平成12年2月16日より)

融資対象 

商業・サービス業の場合 常時雇用が5人以下  製造業・建設業等の場合 常時雇用が20人以下

融資限度 ・運転資金・設備資金に対して最高550万円 他、別枠450万円以内利用可
返済期間 ・運転資金→5年以内 ・設備資金→7年以内

申し込みは当所(24-1111)相談所

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