さて、昨年のわが国の経済は、それまでの戦後最悪ともいえる実質経済成長率が２年連続のマイナス成長から、政府の累次にわたる経済対策、景気の刺激策等により、政府目標である0.5％を上回る成長を達成できる見込みとなるなど、一部には底入れの兆しが見えつつあります。

しかし、企業はなお設備、雇用、債務の三つの過剰を抱えているうえ、さらに円相場も高値で推移しているなど、内外の厳しい環境下にあります。

特に中小企業を取り巻く経営環境は、依然として不透明な状況となっております。

　このような中で、当市の経済状況は市内の金融機関（７〜９月期）の調査によりますと、製造業は前期（４〜６月）より悪化したものの、建設業、卸売業、不動産業が改善したのが要因となり若干上向いているようです。

しかし、これまで当市の賑わいと活気の中心であった中心商店街では、当市唯一の百貨店が撤退、また、３月には大型スーパーが閉店予定と、大きな試練に見舞われることになりました。商業を巡る様々の要素が大きく変化する中で、全国各地の既存商店街がこのような試練に立ち向かっているところですが、これといった決め手がなく暗中模索が続けられております。

　当所におきましてもこれまで中心商店街の活性化のために集・誘客施設の検討や調査・研究の他、各種イベント事業や空き店舗対策事業など積極的に根気強く実施して参りました。

また、大型店撤退後の商業施設の活用のために、他の百貨店の出店依頼の活動をするなど、地道な努力も続けております。

　市では今年度、中心市街地活性化法に則った基本計画づくりに入っており、この推進室には当所職員も参画し積極的に計画づくりを進めているところであります。商業者、消費者のワークショップを開催しながら、市民を主とした「まちづくり」と「商店街活性化」の方策をみいだそうという計画で、この成果に大きな期待を致すものであります。

　いずれにいたしましても、２０００年という大きな節目の年であり、辰年の昇り竜とも言われる勢いに溢れた年でもあります。一気に景気が回復して欲しいものです。

　最後になりますが、皆様にとりまして、本年が輝かしい年となりますことを心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

　昨年10月に開催されました「商店街活性化フォーラム」で、パネラーの矢野治氏（都市問題経営研究所参与）は「行動だけが信頼できる」と話しました。会議所であれ、商店街であれ、個々の商店であれ、大小にかかわらず、「行動」を起こすこと、「チャレンジ」することが、今後ますます求められていくのではないでしょうか。

　なお、今後、実態調査による空き店舗情報を、当所のホームページに掲載していく予定です。また、インターネット無料体験コーナーや、休憩所としても利用できるアンテナ館も開放中。お気軽にご利用下さい。

　当所「むらおこし事業」の特産品等販路開拓推進委員会内「グルメ小委員会」では、市内のお菓子屋さんの協力を得、開発品の「長いも羹」を、２０００年１月から一斉販売することとなりました。

　「長いも羹」は、十和田市特産品の「ながいも」を活用した、羊羹仕立ての餅菓子。

　市内のお菓子屋さんが同一商品を一斉販売する事業は今までに例がなく、当所ではむらおこし事業で開発し成熟した「長いも羹」を、郷土のお土産として認知してもらいたいとの願いから、２０００年１月の「成人の日」に標準を合わせて計画してきました。

　また、当所では年度内に、ホテルや旅館・レストラン・ドライブイン等に、郷土料理として「長生き汁」「馬肉ハンバーグ」「おとめガーリック」等のメニュー化を協力要請していく予定です。

　さらに、観光小委員会では「生きた馬の活用」の協議を重ねており、「十和田市の魅力をいかに表現していくか」をテーマに、やがて人が群がってくるような事業おこしをと考えています。

　なお十和田地区そろばん一に東小学校の和田かずみさんがみごと３連覇を達成しました。おめでとうございます。

　また、創立20周年を迎えた十和田珠算連盟は、同日、十和田富士屋ホテルで記念パーティーを開催しました。記念誌も発行され、楠美清弘会長はじめ、出席した会員や来賓の方々は、今までの連盟の事業を振り返り、想い出話に尽きないひと時となりました。

　第21回十和田地区珠算競技大会結果（各１位のみ）

◇個人総合小学校３年生以下の部　小笠原尚良（ちとせ）▽同４年生の部　佐伯美子（ちとせ）▽同５年生の部　洞筒舞子（ちとせ）▽同６年生の部　和田かずみ（東）▽同中学校の部　佐々木麻衣子（十和田）

◇読上算小学校３年生以下の部　高渕愛（南）▽同４年生の部　下田小月（三本木）▽同５年生の部　米内山大斗（ちとせ）▽同６年生の部　和田かずみ（東）▽同中学校の部　佐藤朋佳（十和田）