十和田商工会議所ニュース

『Frontier』より 97年6月

平成9年度第一回通常議員総会

事業・決算など6議案を承認
大型店・駐車場問題特別委員などを委嘱も報告

平成9年度第一回通常議員総会が、5月29日新任議員7名を迎え、商工会館5階で開催された。総会では6議案の承認と、10項目の報告がされた。
 総会の冒頭、稲本会頭は挨拶の中で、「わが国の経済は大きな構造改革の中で混迷を深めている。緩やかながら回復基調にある景気も実感のないまま推移しており、むしろ行政改革による公共事業の減少は、建設関連企業の多い当市においては、その影響が特に危惧される。又、商業においても郊外型大型店の出店・増床や駐車場問題により中心商店街の衰退が加速されるなど景気回復感のない厳しい状況が続いている」とし、「田園文化学園都市を標榜する当市の機能充実を図る為には種々の社会基盤整備に向けた意見・提言活動の展開」「街の『顔』である商店街が美しく活気にあふれ、快適に買物できる場所であるための調査研究(集・誘客施設計画づくり)」「市内の事業所の健全経営に向けての相談指導業務の強化」を図りたいと述べた。さらに、下田SC増床申請に対しては周辺市町村及び商工団体と連携し反対運動を展開してきたが、今後予定される知事意見書を「反対表明」の形にする為には、今一度強力な陳情が必要かもしれないと今後の方針などを述べた。
 総会では、稲本会頭が議長となって審議を行なった。
 承認された六議案は次のとおり。
一、平成八年度事業報告承認の件
二、平成八年度一般会計収支決算承認の件
三、平成八年度特別会計収支決算承認の件
四、平成八年度収益事業特別会計収支決算承認の件
五、平成八年度退職給与資金積立金特別会計収支決算承認の件
六、平成八年度公益事業会計・収益事業会計貸借対照表並びに損益計算書及び総合財産目録承認の件
以上が承認された。
 また、報告事項として
(1)大型店問題対策特別委員会委員委嘱の件
(2)駐車場問題対策特別委員会委員委嘱の件
(3)商業近代化促進検討委員会委員委嘱の件
(4)街づくり会社設立準備室委員委嘱の件
(5)商工会議所空調設備等に対する主務委員会の件について
(6)商店街活性化事業に於けるコンサルタントについて
(7)平成9年度県連要望事項について
(8)春まつり・太素祭について
(9)大規模小売店舗届出の結審結果について
(10)創立50周年記念事業特別委員会設置について
以上、10項目を報告し閉会した。


唄と踊りの祭典実行委員会の寄付金で「街角にプランター」

 十和田市商店街振興組合連合会では5月22日、稲生町4商店街(南・中央・六丁目・七八丁目)の組合員が集合。交差点の各コーナーにプランター28個を設置した。
 このプランターの設置は、当市の唄と踊りの祭典実行委員会が市内商店街に花を植えて街を綺麗にしたいということから始められた「花いっぱいチャリティーショー」の益金を5年間にわたり寄付されていたもので、同振興組合連合会では、商店街のアーケードなどの施設整備が完工したことで、寄付金を役立てることを検討。今回の「街角にプランター」の設置となった。


社会人としての心がまえを学ぶ−新入社員研修講座−

 十和田商工会議所と上十三法人会の主催による新入社員研修講座がさる4月23日、24日当所一階ホールに50名の今春入社のフレッシュマンたちが参加して開催された。
 同研修講座は、会員事業所の新入社員に社会人としての基本姿勢やビジネスマナーを学んで、一日も早く企業の将来を担う即戦力として働いていただきたいとして開催したもの。
 講師には、河北新報の経営セミナー欄を長く担当された「いがい営研」猪飼正夫氏を迎え、学生と社会人の違いや「仕事の基本ルール」「職場で楽しく働くには」をわかりやすく受講した。
 また、ビジネスマナーの実習では、身だしなみ、態度、言葉づかい、電話の応対など実技も取り入れての内容で、受講者は、新社会人としての厳しさと自覚を新たにした二日間だった。


域間競争における 街づくりと商店街活性化の提言を決議
日商が国・地方自治体などに働きかけ

(新アーケードが完成し、活気が戻ったかに見えたが、下田SC増床計画などでさらに厳しさを増す当市中心商店街 写真:アーケード完成イベント)

 

 

 

日本商工会議所はこのほど「地域間競争下における街づくりと商店街の活性化に関する提言」を決議し、現在、国会・政府・地方自治体はじめ関係方面に対し、その趣旨の実現の働きかけを行なっている。
 今回の決議は「街づくり及びより良い環境づくり」を最優先課題としている当所としても「街づくり、商店街活性化」と「大型店問題」は切りはなせない事項となっており、今後の対応を推し進める意味でも重要な提言となる。
 今回の提言は、近年、都市中心部や商店街の衰退が顕著となり、また、今年度には大店法の見直しが予定されていることなどから、全国的に街づくりへの関心が高まっていることを踏まえ、昨年度、日商の流通委員会の下に設置された「商店街活性化に関する小委員会」(委員長は仙台商工会議所・津嶋専務理事、全国21の商工会議所専務理事で構成)が1年間の検討を重ね、活性化方策としてとりまとめたもの。日商が街づくりと商店街活性化に関する総合的な提言を行うのはこれが初めて。
 提言においては、都市中心部の活性化問題は地域商業のみならず、地域全体の問題であるとの基本的認識に基づき、「大型店問題への対応」「地域をあげた街づくりの推進」「都市中心部における人口の増加策」などについて、各種提案を行っている。
 日商としては今後、大店法見直し審議が行われる産業構造審議会流通部会と中心企業政策審議会流通小委員会の合同会議等において、提言の趣旨を主張していくとともに、消費者・住民向けPRにも努めていく方針。提言のポイントは次の通り(なお、日商のホームページに提言の全文を掲載。アドレスはhttp://www.jcci.or.jp)。

大型店問題への対応
 大店法の規制緩和は既にその目的を十分達成しており、これ以上の緩和は避けるべきである。また、近年の大型店問題は経済的規制の範囲を超え、地域全体を見渡した観点からの対応が必要であり、地域環境への悪影響がないことの証明等を出店届における受理要件とし、地方自治体による事前協議手続きの制度化も大いに検討すべきである。さらに、第二種大型店の店舗面積の引き上げも検討する必要があり、大店法の運用面からは、地元の街づくり努力、地元意見への一層の配慮が求められる。

地域をあげた街づくりの推進と都市中心部人口の増加策
 都市中心部の活性化をはかるため、再開発等に係る規制緩和が必要であり、各地域において街づくり計画の策定運動を盛り上げるべきである。また、街づくり会社の一層の活用「タウンマネージャー」(仮称)資格制度の創設、また、複数省庁が協力した活性化策の一層の推進、地方自治体における街づくり関連部署の一元化が重要である。さらに、定住・交流人口の増加策として、都市中心部における公共施設の立地を促進し、地域特性に応じた交通対策も検討される必要がある。

街づくりにおける関係者の役割と商店街活性化のための当面の支援策
 商業者は環境変化に応じた経営方針を確立し、職住を一致させ、「商品販売のスペシャリスト」として一層努力し、商店街は街づくり努力の中で各種事業をより積極的に展開することが望ましい。商工会議所は街づくりの旗振り役として関連事業の活性化が求められる。また、行政においては、苦境にある商店街に対する既存の支援策を充実させるとともに、地域ごとにアイデア・コンペによって特定の商店街を選定し、その商店街に対してハード・ソフト両面から集中的な支援を行い、他の商店街の範とすることを目的とした事業の創設等が必要である。

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